株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

代表取締役パートナー小川晴寿のブログ

Something H

当社の社名でもあり、コンサルティングのコンセプトであるH(アッシュ)。
Humanity,Honest,Hospitality,Humor, Health,Hard,Historyの
7つのH以外にもHのつく言葉にこだわって、
いい会社づくりに役立つ情報を提供していきたいと思います。

#195

来年、就活生になる君へ ~その1~

2024年7月1日

昨日、支援先企業の新卒採用で面接官を務めました。

相手は、今年20歳になる女子専門学校生でした。
そう、我が娘と同級生。

息子と同い年の学生を面接した時も感慨深いものがありましたが、
今回は、下の子と同学年。
ずっと小さいままでいるんじゃないかと思っていた錯覚も手伝って、
より一層心に染み渡りました。

USJのV字回復の立役者として有名な森岡毅さんが、
我が子のために認めた『苦しかったときの話をしようか』という本があります。

同書は、ビジネスマンとして様々なことを経験してきた森岡さんが、
就職活動を迎える子どもに対して「働くことの本質」や「仕事観」を綴った一冊です。

とても感銘を受けたのと、森岡さんのレベルとはいかないまでも、
伝えられることはあるんじゃないかとの思いもあって、
今回のコラムは、今月二十歳の誕生日を迎え、
来年は就職活動をすることになる娘へ、メッセージを送りたいと思います。

娘に宛てたものなので、私的な内容も一部含まれますが、
多くの就活生にも伝えたいメッセージです。
よろしければご子息、ご令嬢、お知り合いの就活生にもお伝えいただければ幸いです。

ちなみに、社会人としてのメッセージは、
3年前、息子が二十歳になった時に、このコラムに認めてあります。
開始以来、もっとも大きな反響をいただいた記事となりました。
よろしければ、あわせてお読みください。

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#159 二十歳の君へ
https://www.h-mbo.com/blog/ogawa/0159/

#160 二十歳の君へ ~その2~
https://www.h-mbo.com/blog/ogawa/0160/

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親愛なる娘へ

君がどれくらい理解してくれているかはわからないが、あなたの父は経営コンサルタントです。
得意領域は、『人事・組織開発』なので、もう20年近く、新卒採用に関わってきている。

就活生とのコミュニケーションもそれなりに取っていて、
どういう学生が企業から評価をされるのか、
どんな準備をした学生が就活をハッピーに終えられるのか、
反対に、どのポイントを外すと、不幸な結末を迎えるのかを
他の親御さんよりは理解している……ハズ。

今日は、私なりに、あなたに伝えたい就活の極意をメッセージしたいと思います。
「極意」といっても、面接を合格するためのテクニックではありません。
社会に出た後も必要になる「仕事観」についてです。

最初に断っておくけれど、
今からメッセージする内容は、私が就活生だった時には何一つできていない。
だから、君が「お父さんだってできていなかったじゃん」と言うのは
1000%織り込み済みです。

それでも伝えたいメッセージだということを、
君が4歳の父の日に、幼稚園で描いた絵をプレゼントしてくれた時の
優しさで受け止めてもらいたい。よろしく頼みます。

 

1.拙くてもいい。仕事観を自分の言葉で文字にしよう。

就活は婚活に近い。結婚をしたことがない君はピンとこないだろうね。

私が若い時に『3高』という言葉あった。
結婚相手に求める条件を表した言葉、
「高学歴」「高収入」「高身長」―3つの「高」が揃った人物が
結婚相手として適しているという意味です。

残念なことに君の父はどれも該当しない。
しかし、君のお母さんと割と幸せに暮らせている。
それは価値観が合うからなんだ。

会社と働く人の関係も、まったく同じで、
給料や休日、企業規模など数字で簡単に比べられるもの以上に、
価値観のシンクロ度合いが重要です。

シンクロ度合いを確かめるためには、
君が自分の仕事観をしっかり確立しておかなければなりません。

最初は、しっかりした仕事観を語れる若者はいません。
ただ、付け焼刃がまかり通るほど甘くはない。
拙くてもいいから、仕事観を自分の言葉で文字にしよう。

「Why(なぜ働くのか?)」
「What(何を成し遂げたいのか?)」
「How(どのように働くのか?)」
を考えるところから始めてごらん。

 

2.職人Cを目指そう

私の好きなビジネス寓話を紹介するね。

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あるところに三人のレンガ職人が仕事をしている作業現場があった。
毎日、その仕事を見ていた子供が三人に
「ねぇねぇ、おじさんたちは毎日そこで何をしているの?」と質問をしたところ
次のような答えが返ってきた。

職人A:見ればわかるだろ、レンガを積んでいるんだよ
職人B:私はこれでお金を稼いでいるんだ
職人C:私は、ここに教会を作っているんだ。この地域は戦争で荒れ果ててしまったから、
教会を作って皆さんに安らいでもらいたいんだよ

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傍から見ると同じレンガを積むという作業をしている三人だが、
仕事に込めた思いには大きな違いがある。

職人Aは「作業」としてレンガを積んでいるだけだ。
何ができるのか、その建物を使う人が誰なのかということに関心はない。

職人Bには「お金を稼ぐ」という目的がある。
だから、今よりも給料の高い仕事が見つかるとそちらへ移ってしまうかもしれない。
私もお金は重要だと考える。
「20代で年収1000万!!」という就職情報誌のキャッチコピーに惹かれて、
就職先を選んだくらいだから職人Bを否定はしない。
しかし、職人Bは大切なことに気づいていない。
それは職人Cとの違いで明らかになる。

職人Cは、今の仕事を通じて教会を利用する人の「やすらぎ」を作っていると言った。
もちろん、職人Cだって対価として給料はもらう。
しかし、それは体を動かした対価としてではなく、利用者の笑顔の対価だ。

もし、君が自分の家を建てるとしたら、三人のうち誰に頼みたいと思うだろうか?
私は職人C一択だ。
きっと私同様に職人Cに頼みたいという人が多くなるだろう。
だから、職人Cのところには、仕事がたくさん集まって、経済的にも潤うことになる。

さっき職人Bが大切なことに気づいていないと書いたのは、この部分なんだよ。
お金を稼ぎたいのなら職人Cのように働くのが近道でもある。
そして、職人Cにはもう1つ良いことがあるんだ。
それは「イヤな仕事は断れる」ということ。
みんな、仕事を選びたがるけど、本当に仕事を選べるのは
仕事がたくさん集まってくるようになった人間だけだ。
そうでなければ、こちらから頭を下げ、
値引きをしてでも仕事を探さなければならない。

君のバイト先にも、職人A、B、Cがいるんじゃないかな。
どんな仕事でもいい、君には職人Cを目指してもらいたい。

 

3.自分の「好き」と「得意」にしっかり向き合おう

オシャレ好きな人が洋服や靴に関わる仕事を探したり、
旅行が好きな人が旅行会社を応募したりという話はとても多い。
「好き」はたいへんなことを継続する原動力になるから、とても重要だと思う。

一方で「好き」だけで仕事を選んでしまうと、あとで苦労をすることも覚えておいてほしい。

下のマトリックスを見てもらいたい。

領域①を仕事にできた人は文句なしで幸せだ。
反対に、領域④を自分の意思で選ぶ人はほとんどないだろう。
もし、選ばなければならないとしたら、相当追い込まれているのだと思う。

問題は領域②と③。
就職活動で選ぶのは「仕事」であって「趣味」ではない。
仕事だから、アウトプットに評価が伴い、それが給与になって跳ね返ってくる。

もし、領域③を選んでしまうと低い評価を受け続けることになる。
確かに「好き」は継続の原動力ではあるのだけれど、
評価してもらえない中で、「好き」だけで続けることができるのかというと実は難しい。

一方で、領域②は得意なので、上手に、高いパフォーマンスでできる。
結果が出るので、お客様や上司といった仕事で関わった人々から
「ありがとう」「すごいね」というポジティブな声をたくさん掛けてもらえるんだ。

得意か、苦手かなんてやってみなければわからないから、
好きを見切るのは、働き始めてからでいいと思うが、
自分の「得意」にもしっかり向き合っておくといい就活ができると思うよ。

 

4.働く人には目標達成型と価値観忠実型がいる

仕事は「目標」とは無縁ではいられない。
営業なら成約件数や受注金額が目標として設定されるし、
マーケティングならユーザー数やCV数、
エンゲージメント時間などを目標として追いかけなければならない。

目標を達成すると気持ちがいいのは間違いがない。
しかし、未達成だった時の悔しさや失望感、喪失感もなかなかのものだ。

また、目標を追いかけている最中の焦燥感や不安、恐怖とも向き合うことになる。
こういう感情と向き合うのが得意で、耐性がある人とそうでない人がいる。
目標設定を嫌う人、目標と向き合うのが苦手な人は、
得意な人、好きな人と比べて、評価が低くなる傾向にあるけれど、
そういう人が良い仕事をしないかというとそういうわけでもありません。

目標と向き合うのが苦手な人の中にも、仲間のため、お客様のために、
目を見張るような仕事をする人がいます。
特に、この傾向は女性に多いように感じています。
そういう人は思いやりがあって、責任感が強く、
「誰かの役に立っている」という実感で頑張れるんだよね。

目標を立て、その達成に向かって頑張るのが好きな人を“目標達成型”といい、
誰かの役に立っているという実感をエネルギーとして頑張れる人を“価値観忠実型”という。
君はどちらのタイプだろう?

目標達成型が好まれる実社会ではあるけれど、どちらにも活躍の場所はある、
それは覚えておいてもらいたい。

 

5.ブラックでもなく、ホワイトでもなく、ブライトを探せ

私が就職活動をしていた時代に、ブラック企業という言葉はなかった。
当時の私が聞いたら「罪を犯した会社」というイメージを抱くと思う。
しかし、今はすっかり定着したよね。

私が新卒で入社した会社は、今のブラック企業の概念にバッチリ当てはまってしまうだろう。
月の労働時間が300時間を超えることはざらだったし、土日に休めないことも多々あった。
代休が取れる訳でもなく、有休を取った記憶もない。
見なし残業代はついていたが、超過分の残業代を申請したこともない。
申請している人を見たこともない。正に真正ブラックだった。

それでも私にとって、その会社で働いた経験は、
とても貴重で、ポジティブな思い出として心に刻まれているんだ。
その後、一緒に起業することになる平堀さんとも出会えたし、
コンサルタントとしての能力も磨くことができた。
今もお付き合いをしている生涯のお客様とも巡り合った。
その会社での経験がなかったら、今の会社を20年近くもやって来られなかったと思う。

何がブラックで、何がホワイトかなんて、
働く個人の価値観やキャリアビジョンとの兼ね合いで変わってしまうということを知ってほしい。

今は、ホワイト過ぎる企業を“ゆるブラック”と言うらしいね。
ゆる過ぎて成長への期待感が持てないから、こっちはこっちで退職が多い。
結局のところ、会社との向き合い方で君のいる場所は黒にも、白にもなるんだ。
だから、条件だけで白黒を決めず、自分が輝けるブライト企業を探して欲しい。

こんな長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
本当は1回で書き上げようと思っていましたが、
すでに5000文字を超える勢いなので、半分は次回に回すことにしました。

次回の内容は以下の通りです。

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6.目に見えないものがやりがいに大きな影響をあたえる
7.選ぶことから逃げてはいけない
8.あなたたちには未来を選ぶ自由と権利がある
9.最初の会社で人生は決まらない
10.関わってくれる人にリスペクトを

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お楽しみに(^^)

 

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代表取締役パートナー

小川 晴寿

Ogawa Haruhisa

小川 晴寿

1969年生まれ。千葉県出身。

経歴

経営コンサルティング会社に8年半勤務した後、ベンチャー企業の取締役として経営に参画。同社が3年で東証マザーズへ上場を果たす一翼を担う。その後、“やりがいを感じられる職場を1つでも多く増やしたい”という想いから、平堀と共にアッシュ・マネジメント・コンサルティングを設立。

コンサルティング・ポリシー

『1ミリの変化を心から喜ぶ』

支援実績(得意分野)

  • ◆経営者の想いをワクワクする言葉で表現する理念策定支援
  • ◆採用ビギナー企業に対する適正コストでの新卒採用支援
  • ◆自ら考える人材を育成するケーススタディ研修の開発
  • ◆評価制度の運用・定着を通じたマネジメントの仕組みづくり
  • ◆ミッションやバリューの浸透を促す人事評価制度策定支援

当社での役割

  • ◆社員が作成したドキュメントに対する厳しくもやさしい品質チェック
  • ◆個人が開発したナレッジを他のメンバーが使えるノウハウに標準化すること
  • ◆仕事に使えそうな流行りのエンタメ情報を社員に共有すること
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